9月7日、一周忌を迎えられたエリザベス女王陛下。あらためて哀悼の誠を読者と共に捧げます。その色褪せぬ数々の功績、多くの人々から支持された生き方をご紹介します。
今回はエリザベス女王の4人のご子息を軸に振り返ります。
チャールズ皇太子
Embed from Getty Imagesエリザベス女王の長男、チャールズ皇太子の仲睦まじき親子関係は有名です。チャールズ皇太子の70歳の誕生日に、バッキンガム宮殿でバースデーディナーを開いたエリザベス女王。乾杯の挨拶では、父親、慈善家、そしてビジネスマンとして活躍する皇太子を称賛。
「フィリップと私はこの70年間、チャールズが自然保護やアートプロジェクトの推進者、慈善活動のリーダー、王室史上最も献身的で尊敬されている次期王位継承者、そして素晴らしい父親へと成長する姿を見守ってきました」「彼は芯が強く情熱的で、クリエイティブな人間です。妻カミラにも支えられています」とも語り、最後に「今日は私の息子で、“ダッチー・オリジナル( “ダッチー・オリジナル”という呼び名は、チャールズ皇太子が1990年に創設した有機食品ブランド、ダッチー・オリジナルズ(Duchy Originals)からとったもの)の誕生日をお祝いして、乾杯をしましょう」とユーモアも交えてのスピーチでした。
女王が息子を“ダッチー・オリジナル”と呼んだのは、チャールズ皇太子が70歳を過ぎても可愛くて仕方がない存在であることを感じ取れます。
プライベートでは、様々な問題をかかえてきたお二人ですが、偉大な母であるエリザベス女王を尊敬しサポートされるお姿は、微笑ましくありました。
アン王女
Embed from Getty Imagesエリザベス女王の第2子であり、長女であるアン王女の若い頃のお姿はとても麗しく、エリザベス女王の若かりし頃と風貌がどこか似ておられます。
凛とした強さを纏うアン女王。乗馬を得意としておられ、21歳の頃にはヨーロッパ馬術選手権大会個人部で優勝の経験もあり。1972年のミュンヘン五輪金メダリスト(団体)でもある、熱心な馬術家であったマーク・フィリップス大佐と結婚。共通の趣味が2人を結びつけてくれたのでしたが、年を重ねるごとにお互いへの不満が増していき、1992年に離婚してしまいました。
アン王女は実の兄であるチャールズ皇太子とはとても仲が良いようです。幼い頃を共に育ったお2人なので、その兄弟愛は変わることなく、とても自然なものでとても羨ましいほどです。アン王女はエリザベス女王との関係も良好で、本当にどことなく、纏われる雰囲気がエリザベス女王に近いところがあり、私たちを魅了するプリンセスです。
アンドリュー王子
Embed from Getty Imagesエリザベス女王の第3子で、チャールズ皇太子に次ぐ第2王子であるアンドリュー王子については、兄であるチャールズ皇太子と同じく優秀であると言われ、厳しい就学前教育も経験した王子の1人です。
王室の仕来りにより、アンドリュー王子も海軍に入隊。後にパイロットとして活躍、フォークランド紛争勃発時にはアンドリュー王子がヘリコプターのパイロットとして従軍しました。イギリス政府はアンドリュー王子が実戦に参加することで戦死することを懸念したそうですが、エリザベス女王が許可したためにアンドリュー王子もこの戦争に参加することとなったそうです。息子を戦地へ送ることを許可するという、エリザベス女王の肝の座った決断の背後には、英国を背負っている君主の威厳や強い意志があるのでしょう。
1986年にセーラー元妃とご成婚となられ、お2人の結婚後の日々には当時、メディアにも多く取り上げられるほど話題になりました。アンドリュー王子が公務などで留守にしている間に、セーラー元妃は不倫関係となった男性がいたとのことで、スキャンダルとして雑誌に書かれてしまった後、2人の関係は修復不能となってしまい、結局離婚することになってしまったのです。エリザベス女王にとっては、心を痛める不幸な出来事でありました。
離婚後は王室から自主独立し、ボランティア活動もするなど勢力的に社会に貢献しているセーラー元妃のようです。また、アンドリュー王子には酷いスキャンダルが聞こえています。女王ご高齢にも拘らずご心配の多いことでありました。
エドワード王子
Embed from Getty Imagesエリザベス女王の第4子であり、三男のエドワード王子は兄弟の中でもエリザベス女王の容貌に1番似ていると言われる王子です。
エドワード王子は芸術に秀でておられ、お若い頃から演劇に興味を持ち、舞台の裏方で制作アシスタントとして働くようになりました。舞台関係の会社で働く前には、海軍に入隊しましたが、芸術家のエドワード王子には軍の中にいることが肌に合わなかったようで、早々に除隊しています。王族男子が軍にてキャリアを積むことが英国王室の恒例となっていたため、大尉になるなど、ある程度昇進する前に除隊されたのはエドワード王子が初めてだったようです。
制作アシスタントの経験を経て、1993年に自ら制作会社アーデントを設立します。好きなことを自分の仕事にするというエドワード王子の覚悟と行動力にはとても関心させられます。芸術を愛するエドワード王子は私生活もとても充実しています。
Embed from Getty Images広告業界で活躍していた美しく、知的であるソフィー妃と1999年に結婚されて以来、今まで仲睦まじいお姿を見せてくださいました。
エリザベス女王の4人のご子息、ご息女の中で結婚後に離婚されていないのは、唯一エドワード王子とソフィー妃のカップルだけなのです。上品でチャリティーやボランティア精神に溢れたソフィー妃にはエリザベス女王も厚い信頼を置いていて、ご高齢であったエリザベス女王は、お2人にはいつも心を許し、リラックスされて接しておられるご様子でした。