エリザベス女王一周忌 ~華麗なる人生物語とその生き方を振り返る~

ライターPOINT DE VUE JAPON 編集部
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9月7日、一周忌を迎えられたエリザベス女王陛下。あらためて哀悼の誠を読者と共に捧げます。その色褪せぬ数々の功績、多くの人々から支持された生き方をご紹介します。
今回はエリザベス女王の華麗なる人生物語とその生き方について振り返ります。

25歳で女王に即位

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1926年ヨーク公アルバート王子とエリザベス王妃の長女として誕生。1963年、叔父のエドワード8世が退位してアルバート王子がジョージ6世として王位に就きます。王位継承者の一人となったエリザベス王女。第二次世界大戦中から公務に就き、14歳でラジオを通し初めての演説を行います。18歳を機に、父が公務を執行できない場合などに代わりを務められるようになります。

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1951年に父ジョージ6世の健康状態が悪化し、翌1952年、冠状動脈血栓症により逝去されました。エリザベスは25歳という若さで女王に即位。即位後はイギリス連邦諸国をはじめ、米国やフランスなどを歴訪する他、バッキンガム宮殿の一部を一般公開することに踏み切るなど、新しい試みを行いました。近年、女王は、リーダーシップについてこのように語っています。
「成功の法則と言えるものは何も知りませんが、長年の間に発見したのは、リーダーシップの特徴には普遍的なものがあり、それはしばしば、力を合わせるために人々を励まし、彼らの努力や才能、洞察力、情熱、インスピレーションを結びつける方法を探す点にあるということです」。

家族の絆

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1947年、エディンバラ公爵フィリップ殿下と結婚。ギリシャ及びデンマークの王位継承権保持者でもあったエディンバラ公は結婚に先駆け自身の持つ王位継承権を全て放棄し、英国に帰化申請を行います。1948年フィリップ殿下との間に第1子のチャールズ王子を出産。1950年第2子となるアン王女を出産しました。その2年後の1952年にイギリス連邦王国の女王に即位し、1960年に次男のアンドルー王子、そしてその4年後に三男のエドワード王子を授かりました。

夫フィリップ殿下について

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近年のお言葉でこう語っています。
「フィリップ殿下は、私が思うに、いかなるほめ言葉も容易には受け取らないことで知られています。けれども、彼はこれまでずっと私の強さの源であり、導き手であり続けてきました」

「いつものことで彼には申し訳ないですが、フィリップ殿下は私の話に耳を傾けざるをえません。私たちはしばしば、私が予定しているスピーチについて事前に話し合うのですが、ご想像のとおり、彼は率直に彼の意見を表明してくれます」

「彼はただただ、私の強さであり、ずっと私のそばにいてくれました。私、彼の家族、そしてこの国や他の多くの国々は、彼が思うよりも、あるいは私たちが知っているよりもずっと、彼に負うところが大きいのです」

世界で最初にソーシャルネットワークを使った国家元首

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2007年、Youtubeにイギリスの王室チャンネルが正式に公開されました。2009年にはエリザベス女王自身のTwitterアカウントを作成。2015年には即位63年を迎え、イギリス王室の在位最長記録を更新。
2016年には90歳を迎え、エリザベス女王の幼少期や王室一家の休暇の様子などを、エリザベス女王をはじめ、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子が鑑賞しながら感想を述べる特別番組『Elizabeth at 90 – A Family Tribute(原題)』が放送されました。

国民の高い支持

王室維持に賛成する声は70%を超えるほど、エリザベス女王へのイギリス国民の支持は高く、愛され続けています。

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エリザベス女王は毎年恒例、イギリス連邦の国民へクリスマス・メッセージ(25日朝放送)を送っています。2018年、バッキンガム宮殿の白の応接間で撮影されたクリスマス・メッセージでは、この年を「100周年の年」と振り返り、父ジョージ6世が第1次世界大戦で海軍に従軍したことに触れ、「他の人と同様に、父も戦争で友人を失った」、「クリスマスには、どのような状況であれ、亡くなった愛する人たちのことがしきりに思い出されます」と話されています。

この年イギリス王室では結婚式や出産が相次いだことから、今年は家族の行事に忙しい年で、「祖母として常に多忙だった」、また「長寿は人を賢くすると信じる文化もあります。私もそう思いたい」、「この知恵には、人生におけるやっかいな矛盾を認めることも入るかもしれません。例えば、人間には善意を求める大きな気持ちと悪意を持つ能力があります」と話されています。

また、女王は4月に行われたイギリス連邦首脳会談に触れ、連邦の力は「愛の絆と、より良い平和な世界で暮らしたいという共通の願いにあります」、「どれほど深刻な違いがあっても、相手を尊重し、同じ人間として接することは、常により良い理解への有効な一歩です」とも話され、異なる考え方を持つ人同士が互いを尊重することが大事だと強調しています。
その上で、女王は自らのキリスト教への強い信仰心を吐露します。「何年もの間、さまざまな変化を見てきましたが、私にとって信仰と家族と友情は、ただ不変の拠り所というだけでなく、個人的な安らぎと安心の源でした」

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女王はその時、アンジェラ・ケリーのアイボリーシルクのカクテルドレスを着て、ルビーとダイヤモンドの装飾の付いた金のスカラベのブローチを付けていましたが、このブローチは、夫のフィリップ殿下が1966年に贈ったものです。そして女王の机には、1948年に撮影されたフィリップ殿下とチャールズ皇太子との写真が飾られていました。
エリザベス女王は御年92歳を迎えても、さらに精力的なまでに公務へ参加され、人々に【勇気と平和】を与えて続けていました。

女王の言葉

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【勇気】について
「人生が苦しいと感じるとき、勇気ある者はただ横になって敗北を認めたりしません。そんなときだからこそ、より良い未来のために必死に努力しようと固く心に決めるものなのです」

公人としての役割について
「私は信頼されるためにも、人々に見られる必要があるのです」

内省の重要性について
「私たちは皆、内省と実行の間の正しいバランスを見つける必要があります。これほど多くの選択肢があると、立ち止まって吟味することを忘れやすいものです」

ファミリーについて
「すべての最良な家庭と同じく、私たちにも風変わりなところや激しいところ、わがままな子どもたちや、家庭内のいざこざがあります」
「私は同等の簡潔さと確信を持ってこう言うでしょう。私は家族を大切にすると」

悲しみとは?
「悲しみは愛についてまわるものなのです」

女性とは?
「人類の厳しい進化の中に、優しさと気遣いを注いできたのは女性たちです」

ファションへのこだわり

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なぜ明るい色を身につけるかについて、「私がベージュを着たら、誰も私が誰だか気づかないでしょう」と語ります。エリザベス女王のファションへのこだわりは有名で、バッグ、靴、素材や色合いなど、毎日がファションショーのように魅力的です。
また、近年はキャサリン妃やメーガン妃のファッションに刺激を受け、オシャレに余念がありませんでした。ファションというと、毎年6月にバークシャー州アスコットでイギリス王室主催の競馬イベントが開催されます。会場には、華やかな帽子をかぶって、足を運ぶ女性たちの優雅な光景があります。

ロイヤル・アスコット

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エリザベス女王は大の競馬好きで、競走馬25頭を所有します。唯一、在位中に英ダービーを制したエドワード7世(在位1901~10年)など、歴代国王も深い関わりを持ってきましたが、エリザベス女王も競馬好きにかけては、彼らに勝るとも劣らぬものがあります。

倹約家

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イギリス王室の資産は不動産、アート、株などで構成されています。クラウン・エステートと呼ばれるバッキンガム宮殿や宝飾品といった大半の資産は、女王ではなく国に帰属するものですが、バルモラル城やサンドリンガム・ハウスは女王の所有になります。フォーブスによると、エリザベス女王の個人資産は5億3000万ドルと推定されています。また、エリザベス女王はたいへんな倹約家としても有名。どんな物も大切に扱う姿勢はキャサリン妃ら次世代にも受け継がれているようです。

エリザベス女王が年間に迎えたゲスト

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ガーディンパーティの招待客も含めて約5万人。握手する人数は1万人。

波乱万丈、激動の人生を歩んでこられたエリザベス女王。これからも世界中の人々の女王のシンボル、永遠のスーパーレディーとして輝き続けることでしょう。

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