
世界一幸福度の高い国としても有名になったブータンは国王が存在する立憲君主制の国家です。
国王夫妻の仲睦まじい姿も話題となりましたが、現在の国王はどのような人なのでしょうか?
今回は歴代のブータン国王や現在のブータン国王はどのような人なのか、王妃との馴れ初めなども含めてご紹介します。
ブータンの歴代の国王たち

現在のブータン王国は1907年に成立しており、初代国王はワンチュク家のウゲン・ワンチュクです。
ウゲン・ワンチュクが生まれたのは1862年のことですが、国内ではそれ以前から内乱が続いていました。
ウゲン・ワンチュクはこの内乱を抑えて国内を平定し、近代ブータン建国の父として国を導いた人物です。
その後ブータン国王は世襲によって継承されており、現国王であるジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏まで、代々ワンチュク家から排出されています。
歴代の国王は下記の通りです。
- 第1代:ウゲン・ワンチュク
- 第2代:ジグミ・ワンチュク
- 第3代:ジグミ・ドルジ・ワンチュク
- 第4代:ジグミ・シンゲ・ワンチュク
- 第5代:ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク
継承は直系子孫かつ男性が優先で現在まで初代国王の直系の子孫が継承していますが、法律上は女性も国王に即位できます。
王位の継承ができるのは21歳以上、65歳には譲位する決まりとなっているなど、在位期間についても憲法によって明確に定められています。
ブータンのこれまでの歴史


ブータンは中国とインドに隣接している内陸国であり、歴史的にも周辺諸国からの影響を強く受けてきました。
紀元前の頃には漢字が使用されていたという歴史的な発見や、現代においてもチベット仏教が根付いていることからも古くから中国やインドと深い関わりがあったことが分かります。
17世紀以降は周辺国だけでなくイギリスなどの西欧からの影響も受け、西欧文化などを取り入れて発展していきました。
その後、イギリスとの戦争や内乱などの混乱を経て現在の立憲君主制のブータン王国が成立したのは1907年のことです。
ブータンは幸福度ナンバー1の国
Embed from Getty Imagesブータンは幸福度ナンバー1の国として世界的に有名な国でもあります。
なぜ幸福度ナンバー1といわれるようになったのでしょうか。
その理由は国の幸福度を示す世界的な指標が関係しています。
その指標は世界保健機構(WHO)が発表している、各国の国民がどのくらい幸せなのかを示す「幸福度指数」です。
この指数をもとにしたランキングでブータンは2019年、世界で最も幸せな国と紹介されました。
この指標ではGDPや社会保障制度などの社会的支援のほか、健康や自由度などの幸福度に関係する項目をもとに幸福度が数値化されています。
ブータンではかねてから国民の幸福度を重視しており、GNH(国民総幸福量)の考え方を取り入れていました。
これは第4代国王であるジグミ・シンゲ・ワンチュク氏のもとで提唱された考え方です。
この考えのもと、ブータンでは経済的な豊かさだけを追い求めるのではなく、人と人との絆や自然との和、歴史や文化を守ることで得られる豊かさも大切にしています。
こうした物質だけでは得られない豊かさを国民が得るための政策を実行したことによってブータンは国民の幸福度が高い国となったのです。
現在のブータン国王・ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク
Embed from Getty Imagesここまでブータン王国の歴史や歴代の国王について解説しました。
現在の国王であるジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏はどのような人物なのでしょうか。
続いてはジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏の来歴をご紹介します。
生い立ち
ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏は1980年に第4代国王の長男として誕生しました。
4代国王であるジグミ・シンゲ・ワンチュクは4人の妃がいたため、ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏には異母兄弟も含めると4男5女の弟姉妹がいます。
学歴
ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏はアメリカの全寮制の学校であるフィリップス・アカデミーにて勉学に励んでいました。
このアカデミーは進学校として知られており、著名な卒業生も多く輩出しています。
さらにイギリスの名門オックスフォード大学への留学経験もあり、政治学の修士号を取得しています。
26歳で国王に
ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏は2006年に26歳の若さで国王に即位しています。
前国王は当初2008年に譲位することを表明していました。
しかし、統治経験を積ませることを理由に譲位を2年早めることを決断。
2006年12月に前国王が退位し、それと同時にジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏が即位しました。
即位後は国王として各国を訪問しており、その端正な容姿や穏やかな人柄が訪れた先々で話題となっています。
特にタイでの人気が高く、ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏の写真集が発売されるなどの人気ぶりです。
日本に来日した際には人柄だけでなく結婚したばかりの王妃との仲睦まじい姿も話題になりました。
ジェツン・ペマ・ワンチュク王妃
Embed from Getty Imagesジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏は遠縁のジェツン・ペマ氏と2011年に結婚しています。
王妃であるジェツン・ペマ・ワンチュク王妃はどのような人物なのでしょうか。
続いてジェツン・ペマ・ワンチュク王妃の人柄について紹介します。
生い立ち
現在のブータン王妃であるジェツン・ペマ・ワンチュク王妃は1990年に次女として誕生しました。
ジェツン・ペマ・ワンチュク王妃の母親は王室の遠縁にあたる名家の出身ですが、父親はバーレーンエアのパイロットであり一般家庭の出身です。
一般家庭から一国の王妃となったシンデレラストーリーも当時話題となりました。
経歴・学歴
ジェツン・ペマ・ワンチュク王妃は高校までブータンの首都であるティンプー市やインドの学校に通っていました。
高校生の頃にはバスケットボールチームに所属し、チームのキャプテンも務めていたことが知られています。
大学はイギリスのリージェンツ大学にて国際関係論を専攻し、その他にも美術史を学んでいます。
ブータン・インド・イギリスと各国で学んでいたこともあり、母国語であるゾンカ語だけでなく英語やヒンディー語も堪能なトリリンガルだといわれています。
ブータン国王は愛妻家としても有名!

現在のブータン国王は愛妻家としても有名な人物です。
続いてブータン国王が愛妻家と呼ばれるようになった所以のエピソードを紹介します。
王妃との出会いは幼少期

現ブータン国王と王妃が出会ったのは王妃が幼少の頃だったといわれています。
出会った当初はまだ王子だった現国王は17歳、王妃は7歳でした。
王妃はその当時から非常に美しかったため国王が一目ぼれをし「大人になり独身であったら結婚しよう」とプロポーズをしたという逸話があります。
交際から結婚までの馴れ初め
王妃がまだ幼い頃のプロポーズから数年後、2人は再会します。
再会するまでお互いに当時のプロポーズを覚えており、そのことをきっかけに交際へと発展しました。
再会した具体的な年は明かされていませんが、幼い頃の約束を実際に叶えたドラマチックな恋愛も大きく注目されました。
2011年にご結婚

交際期間を経て2人は2011年5月に結婚しました。
結婚式はブータンの首都ティンプーではなく古都であるプナカで同年の10月にあげています。
仏教式の伝統的な様式に従った華やかな結婚式には25カ国の大使が出席し、会場周辺に市民が集まるなどお祝いムードに包まれた結婚式でした。
結婚した当時、国王は31歳、王妃は21歳であり、初めて出会った当時から14年の歳月が経っています。
結婚式に際しての記者会見では国王がこの瞬間を待ちわびていた思いを吐露していたように、一途に思い続けた国王の思いが叶った瞬間でもありました。
生涯の妻にするとの誓いも
結婚後、国王は王妃だけを生涯の妻にするという誓いも立てています。
ブータンでは一夫多妻制が認められており、国王の父である前国王も4人の妃がいました。
複数の妃を持っていた歴代の国王とは対照的に、現国王は一途に思い続けていた王妃だけが生涯でただ一人の妻であると宣言しています。
実際に2011年に結婚して以降には誰とも結婚していません。
こうした一途さからもブータン国王は人気を集めています。
2016年には第一子、2020年には第二子も誕生
現国王と王妃の間には2016年に待望の第一子が、2020年には第二子が誕生しています。
王子が誕生した際には国内はお祝いムードに包まれ王子ブームが巻き起こりました。
ブータンでは生まれた子どもの名前は占星術などで日取りを決めて命名する文化があります。
そのため、2016年の2月に誕生した長男のジグミ・ナムゲル・ワンチュク殿下は誕生してすぐは王子を意味するギャルセイとして知られていました。
誕生から2ヶ月以上が経過した同年4月、プナカの僧院にて命名式が執り行われました。
また次男のジグミ・ウゲン・ワンチュク殿下は世界最年少の王太子でもあります。
お2人ともこれからの成長が楽しみな王子です。
ブータン国王は訪日したことも

ブータン国王は即位した2011年に日本にも国賓として王妃とともに来日しています。
来日の際には国会議事堂での演説や京都への訪問などのほか、東日本大震災の被災地も訪問し、被災した人々をお見舞いしました。
その時に話題になったのが「こころの龍」のスピーチです。
龍はブータンの国章にも描かれており、また王のことを「雷龍王(ドゥク・ギャルポ)」と呼びます。
ブータンにとって象徴的な龍を引き合いにし、龍は一人一人の心の中にいること、その龍は経験を食べて育つことを説きました。
困難な状況にあってもその経験を糧に飛躍する龍となることを願ったスピーチは多くの人の心を打ちました。
こうしたスピーチからも現国王の温かな人柄が窺い知れます。
世界の王家には魅力がたくさん!

今回はブータンの国王について解説しました。
歴代のブータンの国王は国民の幸せとは何かを真摯に考え続けており、現在の国王も同じ志を持っています。
またブータン王家は国王自身の人柄や王妃との仲睦まじい関係性などからも、国民や世界の人々から好感を集めています。
ブータン以外にも国の統治者として国民のために懸命に尽くしている王家がたくさんあります。
世界の王家にはまだまだ知らない魅力がたくさんありますので、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。