イギリス王室は、非常に伝統と歴史があるといわれています。世界でも3番目の歴史を持つといわれているため、イギリス王室を学べば世界の歴史も学べるでしょう。
そこで本記事では、イギリス王室の系図を紹介します。年表・ウィンザー朝の家系図・チャールズ3世下の王位継承順位も解説するので、参考にしてください。
イギリス王室の系図を紹介
イギリス王室の系図とは、イギリス王室の成員とその関係を代々示すものです。君主制を行っている国では、王室の系図は良く使われます。
系図の主な仕様用途としては、王室の行事や活動にて使用されることが多いです。
しかし、その構成や表現方法は、国によって異なることをご存じでしょうか。イギリス王室の系図では、現在のイギリス国王であるチャールズ皇太子が最上位に位置します。
2022年9月まではエリザベス2世女王が在位しており、それまでの最上位はエリザベス2世女王でした。
そして、現国王であるチャールズ皇太子の次に位置するのは、彼の息子であるウィリアム王子です。系図には妻や子供たちも表示されることもあります。
そのため、前国王のエリザベス2世女王の夫であるエジンバラ公フィリップ殿下や、チャールズ皇太子の元妃であるダイアナ元妃も表示されます。
子供達が表示されることもあるため、彼と兄妹にあたるアン王女・アンドルー王子・エドワード王子なども表示されるのです。
王室の系図は、王室の成員を分かりやすく示すために用います。しかし、結婚や出産などにより成員が増えると、当然系図はより複雑化します。
ウィンザー朝の始まりは1917年
ウィンザー朝とは、1917年に創設された王朝の名前です。時はエドワード7世がイギリス国王を務めた時代までさかのぼります。
エドワード7世は1901年から1910年までイギリス王室を率いていました。その後息子のジョージ5世に王位を継承しました。
そして、1917年に第一次世界大戦が始まると反ドイツ感情が膨れ上がり、ドイツの名前を冠しているこれまでの王家の名前が不都合に感じ始めます。
このことから、王家の名前をウィンザー家に解明し、ウィンザー朝が始まるのです。ウィンザー朝は、第二次世界大戦でも大戦へ備えた時期であり、非常に重要な期間です。
現在でもウィンザー朝は続いており、かつてのエリザベス2世女王や現国王であるチャールズ3世国王もウィンザー朝となります。
ウィンザー朝以前のイギリス王室の年表
ウィンザー朝が現在まで続いていることをご紹介しました。それでは、ウィンザー朝以前のイギリス王室はどのようなものだったのでしょうか。
ウィンザー朝以前の歴史は、非常に長く世界でも3番目の歴史の長さを誇るといわれています。代表的な王朝をご紹介します。
まず最初の王朝がウェセックス朝です。全身となるこの王国を含めると、この国は519年に建国されたといわれています。
そして、ウェセックス朝の後はデーン朝(1016年-1042年)やノルマン朝(1066年-1154年)へと続いていきます。
デーン朝は、イングランド王国の混乱の後、デーン人のクヌート王が有力貴族の指示を受けて王となりました。
ノルマン朝においては、ウィリアム1世が国王となります。当時アングロサクソン人王の支配下にあったイングランド王国を征服することで国王に即位しました。
ウィンザー朝の家系図
ウィンザー朝以前の代表的な王朝をご紹介しました。それぞれの王朝の長さに注目すると、現在のウィンザー朝がいかに長く続いているかが分かります。
ウィンザー朝はどのようにして続いてきたのでしょうか。家系図を改めてご紹介します。
3代目国王・ジョージ6世
まずは3代目国王のジョージ6世です。彼は、1936年に2代目国王である兄のエドワード8世から王位を継承します。
そして、それから1952年までの間、イギリスを治めました。彼は、第二次世界大戦での活躍が有名です。
ナチス・ドイツとの戦争に抗い、イギリスを守り抜いたことから国民から非常に愛される人物となります。
また、1947年のインド独立運動を支援し、インド人の独立にも尽力しました。このことから、国外からも偉大な人物として称えられています。
また、彼といえば、有名なスピーチがあります。映画化されることにもなったスピーチは、彼の吃音症の克服によってできた素晴らしいものでした。
スピーチが失敗するとイギリス国王への忠誠が揺らいでしまう状況の中、自身の持病の吃音症を克服して大成功し、国内外の多くの人を勇気づけたのです。
彼は、1952年に亡くなります。その後、娘のエリザベス2世が王位を継承し、2022年までの間イギリスを治めます。
4代目女王・エリザベス2世
ジョージ6世の娘であるエリザベス2世が4代目の女王です。イギリス王族であるロイヤルファミリーの中でも最も有名な女性といえるのではないでしょうか。
彼女の即位は1952年のことです。そこから2022年までの間、女王としてイギリスを支え続けました。
彼女は、イギリスをはじめ、各国の外交や内政においても権限を持っていました。また、イギリス軍や警察を指揮する権限ももっていたといいます。
さらに、各国での慈善活動にも力を注いでいました。世界から愛されていた女性として多くの人から愛されていました。
彼女はイギリス王室の中でも最も長く在位し、最も長く生きた君主となります。2022年に96歳で亡くなりました。
イギリス王室の中でも、特に人気のある君主であり、その人気は国内だけでなく国外にも及んでいます。そのため、亡くなった際の悲しみも非常に大きなものでした。
5代目国王・チャールズ3世
エリザベス2世女王から王位を継承して、現国王を務めるのが5代目国王であるチャールズ3世です。
彼は、1948年に彼女の第1男子として誕生し、2022年で74歳を迎えました。
在位開始は2022年9月8日で、戴冠式は2023年5月6日に行われます。彼は、幼少期のころからイギリス国王となるために、厳しい教育を受けました。
また、王室の習慣に則りイギリス海軍にも入隊する中、慈善活動や環境問題に取り組む姿も注目を集めました。
国内の貧困問題に取り組み、貧困層の若者に対して学業の機会や職業訓練を与えるなどの積極的な活動を行っています。
1981年にダイアナ元妃と結婚し、その後離婚しています。2005年にカミラ侯爵夫人と再婚しました。
チャールズ3世下の王位継承順位
Embed from Getty Imagesウィンザー朝の家系図をご紹介しました。現国王であるチャールズ3世の王位も、いずれはその子供たちへと継承されることが考えられます。
それでは、どのような継承順位なのでしょうか。ここでは、チャールズ3世下の王位継承順位についてご紹介します。
1位:ウィリアム皇太子
現在、王位継承順位第1位なのがウィリアム皇太子です。彼は、現国王であるチャールズ3世の第1男子であり、継承する可能性が高いです。
1982年に生まれた彼は、王位継承の可能性を考えて、幼少期から礼儀や高度な教育を受けています。また、王室の仕事や習慣も学び、実際に王室としての仕事を務めています。
大学はスコットランドのセント・アンドルーズ大学に入学し、卒業論文ではモーリシャス・ロドリゲス島の珊瑚礁について発表しました。
その成果から、大学院への入学資格もあるとみなされており、この成績はイギリス王室の中では過去最高の成績といわれています。
2~4位:ウィリアム皇太子の王子・王女たち
ウィリアム皇太子はキャサリン妃と結婚をしており、2人の間には3人の子供がいます。9歳のジョージ王子・8歳のシャーロット王女・5歳のルイ王子です。
それぞれ王位継承権をもっており、その順番はジョージ王子から2位・3位・4位となります。
3人ともまだ子供ではありますが、ジョージ王子はイギリス王室としてのイベントなどにも参加されているようです。
かれらの誕生はイギリス経済においても大きな出来事であり、大きな経済効果を生んだといわれています。
ヘンリー王子の王位継承権は?
現国王であるチャールズ3世とその下に位置するチャールズ3世の子供たちの王位継承順位を聞くと、疑問が残るのがヘンリー王子です。
彼は、チャールズ3世の弟です。そのため、王位継承権はもちろんあります。
ただし、王位継承の順位としては6位に位置します。これは、継承順位が1位であるウィリアム王子に3人の子供がいるためです。
彼が王位を継承するのは、王位継承順位が2位から5位の子供たちが、王位継承できない場合となります。
エリザベス女王の姉妹・その他の子女たち
Embed from Getty Images現国王であるチャールズ3世や、その子供たちである王位継承順位の高い方をご紹介しました。エリザベス2世女王の姉妹やその他の子女たちを含めるとさまざまな方がいます。
もちろん王位継承権を持っています。それではどのような方がいるのでしょうか。ここでは、エリザベス女王の姉妹やその子女たちをご紹介します。
マーガレット王女
まずはエリザベス2世女王の姉妹にあたるマーガレット王女です。彼女はイギリス王室の中でも、非常に注目を集める人です。
王室の務めを果たすだけでなく、姉のエリザベス2世女王の仕事のサポートもしていたといわれています。
彼女は、アンソニー・アームストロング=ジョーンズと結婚し、2人の子供をもうけています。
子供たちの名前は、デイビッド・アームストロング=ジョーンズとサラ・チャットです。2人とも王位継承権があり、それぞれ19位と20位となります。
彼女は2002年に亡くなっており、多くの国民に悲しまれました。
アン王女・アンドルー王子・エドワード王子
エリザベス2世王女の子供たちで、現国王のチャールズ3世の兄妹にあたる人物もいます。まず長女のアン王女です。
彼女の継承順位は12位です。次にチャールズ3世の弟にあたる人物が2人います。アンドルー王子とエドワード王子です。
アンドルー王子が継承順位6位であり、エドワード王子が継承順位が9位となります。
アンドルー王子は、王室の務めを果たしていましたが、とあるスキャンダルにより、現在は公務から退いている方です。
エドワード王子は著名であったウェセックス伯爵の称号を与えられるなどの異例なこともあり、国民から愛されている方です。
イギリス王室メンバーには苗字がない?
イギリスの王室メンバーを見ると、苗字がないことに気づかれる方もいるかもしれません。実は、王室メンバーは、王室のタイトルを使用することが一般的です。
実は、ファミリーネームが存在しないのです。そのため、苗字の代わりに王室のタイトルや称号が使用されます。
例えば、エリザベス2世女王の場合、女王というタイトルを使用します。ウィリアム皇太子の場合は、皇太子がタイトルとなるため苗字は用いません。
しかし、王室の一部のメンバーには苗字を使用する場合もあります。例えば、現国王の妻であるカミラ夫人の場合です。彼女はカミラ・マウントバットンという苗字で呼ばれます。
つまり、一部の方を除いて王室メンバーには苗字を使用せず、タイトルや称号を使用することが一般的なのです。
ウィンザー王朝には追放された国王がいる?
ウィンザー王朝の長い歴史をご紹介してきました。しかし、実はウィンザー王朝には過去に追放された国王がいます。
代表的な人物としては、カール1世が挙げられます。彼は、当時イギリス国内の政治情勢について国内でもめていました。
また、イギリスとスコットランドの関係などについても、議会で対立することが多かったようです。その結果、イギリスの議会から追放されてしまいます。
イギリス王室は日本の皇室ともゆかりが深い
Embed from Getty Imagesイギリス王室は日本の皇室ともゆかりが深いことをご存じでしょうか。実は、お互いに長い歴史を持つことから、長きにわたって交流があるのです。
例えば、1953年にはエリザベス2世王女が日本を訪問しました。皇室とも会われて交流されたといいます。
さらに、近年でも日本の皇室メンバーがイギリスを訪問した過去があります。2019年には、日本の皇太子がイギリスの王室メンバーと会談を行ったようです。
その他にも各国との集まりや国際的なイベントでの交流もあり、さまざまなゆかりがあります。今後もこの交流は続いていくと考えられるでしょう。
世界で3番目の歴史を持つイギリス王室のエピソードなら
イギリス王室は、世界的に見ても非常に長い歴史を持っています。イギリスの国の成り立ちまでさかのぼると、当時の思想や歴史にも触れて勉強になるでしょう。
より詳しくイギリス王室について知りたいのであれば、各時代の国王などに触れ、エピソードなどを調べると良いでしょう。
当サイトではイギリス王室について様々な面から解説しています。ぜひ他のエピソードも知りたいならば、ぜひご覧ください。