イギリス王室の将来を担うウィリアム皇太子とキャサリン妃の若き夫妻が、子供たちのためにどのような進学先を選ぶのか注目を集めています。
長男ジョージ王子・長女シャーロット王女・次男ルイ王子の3人のきょうだいについて、その健やかな成長ぶりを世界中の人々が見守ってきました。
ロイヤルファミリーが通ってきた日本の小中学校・高校にあたる学校の特徴や気になる学費などについて紹介したいと思います。
イギリス王室の子供はどんな学校に通っている?
イギリスの義務教育は5~16歳で、公立はプライマリースクールとセカンダリースクールに分かれています。
一方、イギリス王室や上流階級の子供たちが通う私立校は年齢区分などの仕組みが異なります。
初等教育のスタートは、4~8歳を対象とした幼稚園の位置づけとなるプレ・プレップ・スクールです。8~13歳が通うプレップ・スクールへの準備校といえるでしょう。
4~13歳を対象とした幼小一貫のプレップ・スクールもあり、ウィリアム皇太子の長男ジョージ王子が通っていたトーマス・バタシー校はこれに当たります。
ウィリアム皇太子はイギリス王室初の民間初期教育を受けた
Embed from Getty Imagesイギリス王室で民間の幼稚園・小学校に通ったのは、ウィリアム皇太子とヘンリー王子が初めてでした。
それまで王室や貴族は自宅に家庭教師を雇って初期教育を施すのが慣例でしたが、母のダイアナ妃が「普通の家庭と同じような教育を」と強く要望したといいます。
2人は4歳からプレ・プレップ・スクールの私立名門校であるウェザビー・スクールに通学しました。
また8歳からは寄宿学校のプレップ・スクールであるルドグローブ校に進みました。
その後13~18歳が学ぶエリート養成校であるパブリックスクールのひとつ・イートン校に進んでおり、ジョージ王子らの進学先としても有力視されています。
ウィリアム皇太子はセント・アンドリュース大学に進学し、そこでキャサリン妃と出会いました。
一方ヘンリー王子は大学進学はせず陸軍士官学校での訓練後、イギリス陸軍に10年間所属しました。
ジョージ王子が通うトーマス・バタシー校
Embed from Getty Imagesウィリアム皇太子とキャサリン妃も、親しみやすい王室を目指して初等教育から子供たちを私立の幼稚園に通わせています。
ジョージ王子は世間の予想に反して、父とは違うプレ・プレップ・スクールであるトーマス・バタシー校への通学が決まったことが大きなニュースになりました。
その後、妹のシャーロット王女も通いました。
男女共学の学校
トーマス・スクールは1971年に開校した、比較的新しい男女共学の私立校です。幼稚部と初等部4校があり、2021年に中高等部も開校しました。
開校したのは元女優で3児の母でもあるジョアンナ・トーマス氏で、家族で経営しています。
ロンドン南部のバタシー地区にある初等部がトーマス・バタシー校であり、4~13歳の男女約540人が在籍。
特に男子生徒の成績が優秀であり、国内有数の私立校への進学実績があります。
教育理念
トーマス・バタシー校は「Be kind(親切であること)」が教育理念です。
公式サイトでは「進学率や奨学生の高さも誇りだが、それ以上に優しさ・礼儀正しさ・自信・謙遜などの正しい価値観を育てることを大切にしている」などと紹介しています。
また、仲間外れが発生しないように親友を作らないことを子供に教えているそうです。
さらに「パーティーを開催する場合、クラス全員を招待しないのなら学校で招待状を配布することはできない」というルールもあるといいます。
キャサリン妃は「私の両親は、優しさ・尊敬・正直の重要性を教えてくれた。人生で私の重要な核となっており、私にとっては算数・スポーツができることと同じくらい大事」というスピーチをしたことがあります。
このことから、トーマス・バタシー校の教育理念に共感しているといえるでしょう。
勉強以外の活動も大事にする学校
トーマス・バタシー校は学力レベルが高く有名私立校への進学実績がある一方、9歳ぐらいまではのびのびと学べる環境があり、情操教育に重点を置いているといいます。
スポーツ・音楽・趣味を積極的に奨励しており、演劇・アート・バレエ・情報通信技術・音楽は専門教師が指導し支援が充実しています。
また食育にも力を入れており、旬の食材を使った健康的な献立を用意しています。
ランチタイムはビュッフェ形式の給食を提供し、サラダバーがありスープも数種類から選べるそうです。
学費はどのくらい?
3学期制を採用しており、1学期の学費(2022年現在)は4~7歳が6,525ポンド(約105万円)から・8~13歳が7,380ポンド(約120万円)からで兄弟割引もあるそうです。
イギリスの私立校の学費平均は年間約182万円といわれており、トーマス・バタシー校の約315万円~は平均を大きく上回りますがロンドンにはさらに高額な私立校も存在するそうです。
併せて指定の体操着・水着・バレエ着などをそろえる必要があり、制服代・備品代・音楽や演劇の個人レッスン代・給食費も別途かかります。
将来の国王ジョージ王子はイートン校に通う?
Embed from Getty Imagesジョージ王子がプレップ・スクールを卒業した後、父ウィリアム皇太子も学んだイートン校に進学するかが注目されます。イートン校はどのような学校なのでしょうか。
イギリスの超名門校
イートン校はロンドン西部にあり、「ザ・ナイン」と称される名門私立パブリックスクール9校のひとつです。
オックスフォード大学・ケンブリッジ大学・米国の有名大学などに進学する生徒も多く、ジョンソン元首相ら首相を多数輩出しており、政財界でも有力な学閥を構成しています。
また、1学年で十数人が王室奨学生として入学した経済的に豊かでない家庭出身の学力優秀者であり、名門大学への進学率に寄与しています。
一方上流階級の生徒にとっては「ご学友」という人脈づくりも大きな意味を持つようです。
歴史ある全寮制男子校
イートン校は、イングランド国王ヘンリー6世が1440年に創立した歴史のある全寮制男子校です。
1学年に250人ほどが在籍し、13~18歳の男子生徒計約1300人が寮生活を送っています。学費は年間46,000ポンド(約745万円)とされています。
創立時の目的は貧しい少年に無料で教育を与えるためであり、「ノブレス・オブリージュ(身分の高い者は社会的責任・義務を負う)」を体現した学校といえます。
創立時には現在もザ・ナインのひとつとして名高いパブリックスクール・ウィンチェスター校から学生の半分と校長が編入し、名門校へと成長していきました。
日本では都立日比谷・京都府立洛北・熊本県立熊本・武蔵・早稲田中高・三田学園といった高校がイートン校をモデルにしています。
イートン校はサマースクールを開校し、日本の高校生も毎年男女320人を上限に受け入れています。
シャーロット王女が通ったウィルコックス・ナーサリー
Embed from Getty Imagesイギリスの上流階級家庭では、私立校の受験のため、2歳から幼稚園に通うのが通例となっています。
シャーロット王女も2歳からウィルコックス・ナーサリーに通園しました。ウィルコックス・ナーサリーはどのような幼稚園なのでしょうか。
教会に併設されている幼稚園
ウィルコックス・ナーサリーはケンジントン宮殿のすぐ近くにあり、英国教会に併設された小さな幼稚園です。
創立は1964年で、1学年最大32人と少人数で手厚い教育が受けられるのが特徴です。
ウィルコックス・ナーサリーのあるサウス・ケンジントン地区には、ヴィクトリア&アルバート博物館・ロンドン自然史博物館・サイエンス・ミュージアムなどの博物館があり、園児たちも活動の一環で訪れることがあるそうです。
週5日の午前の部と午後の部があり、最も高い午後の部の授業料は1学期(4カ月)約3,050ポンド(約46万円)といわれています。
人気の高い私立校で、0歳のうちに願書提出が当たり前となっているそうです。
創造力を育てる教育が特徴
英国教育水準局(Ofsted)は2012年のウィルコックス・ナーサリーについての報告書で、アート・デザインで子供の感性を育むことに取り組んでいると評価しました。
礼儀の正しさといった伝統的な教育を重んじており、園児たちも「非常に行儀がよい」としています。
園庭があるため外遊びもでき、クッキング・歌や劇の練習・パズルなどの活動も充実しています。
私立校への受験準備だけでなく創造力を育てることにも力を入れ、のびのびと生活できるのでしょう。
ウィリアム皇太子やヘンリー王子が通ったウェザビー・スクール
ウィリアム皇太子とヘンリー王子が通ったウェザビー・スクールは今も人気の高いプレ・プレップ・スクールです。ウェザビー・スクールはどのような学校なのでしょうか。
小規模な男子校
ウェザビー・スクールは、ロンドン中心部の住宅街に1951年に設立された小規模の私立男子校です。
ウィリアム皇太子とハリー王子は王室で初めて民間の学校に通学し、グレー地に赤いアクセントの入った制服に身を包んで一緒に通学する姿が、今も写真を通して親しまれています。
ウィリアム皇太子夫妻はシャーロット王女と一緒に通学するため、ジョージ王子を共学校であるトーマス・バタシー校に通わせたのではないかといわれています。
上流階級以外の子供も通う
ウェザビー・スクールには近所のビジネスマンやホワイトカラーといった一般家庭の子供も通学しており、ダイアナ妃の「普通の家庭のような教育」という方針が色濃く反映された選択だったといえるでしょう。
イギリスの男子校のスタンダードな校風、イギリスらしいカリキュラムを提供しているそうです。
イギリス王室メンバーの卒業後の進路は?
チャールズ国王はケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに進んだ後ウェールズ大学にも入学し、イギリス王室で初めて大学の学位を取得しました。
一方寄宿学校などで中産階級の子供と学んだもののいじめにあい、つらい学校生活を送ったといわれています。
ウィリアム皇太子はイートン校を経てセント・アンドリュース大学に進み、キャサリン妃と出会いました。
キャサリン妃が学んだパブリックスクール、マルボロ・カレッジも全寮制の名門共学校です。
エリザベス女王・チャールズ国王の妹アン王女・ダイアナ妃・ハリー王子など大学進学しなかった王族も少なくありません。
アン王女は「大学へ行くほどの理由がなかった」として馬術の道へ進みました。
世界の王室にもっと詳しくなろう!
ウィリアム皇太子とキャサリン妃の長男ジョージ王子、長女シャーロット王女の教育について主に紹介してきましたが、さらに変化が訪れました。
2022年9月から次男ルイ王子を含めた3人のきょうだいは、イギリス東部バークシャー州の名門私立校ランブルック・スクールに通っています。
ウィリアム皇太子一家がロンドンのケンブリッジ宮殿からウィンザー城に引っ越し、その近くの学校としてランブルック・スクールを選択したのです。
夫妻は子どもたちに「可能な限り普通の生活」をさせたいと、「金魚鉢」と呼ばれていたケンブリッジ宮殿から、自然の中でのびのびと過ごせる生活拠点を求めたといいます。
将来の国王になるであろうジョージ王子たち3人のきょうだいが今後どのような学びの場を選んでいくのか、引き続き関心が集まります。
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