デンマーク女王のマルグレーテ2世は、1940年生まれでデンマーク女王として1972年に即位しました。
在位50年でかつては、2022年に崩御したイギリスのエリザベス女王とも親交があったようです。
エリザベス女王崩御後、マルグレーテ2世が世界でただ1人の女性君主となりました。そのようなマルグレーテ2世のこれまでの経歴を解説いたします。
マルグレーテ2世はどんな人?
Embed from Getty Images50年余り、女王として君臨してきたマルグレーテ2世とは一体どのような方なのか?デンマーク女王の経歴や、初の女王として即位したことなどについて見ていきましょう。
デンマークの女王
マルグレーテ2世がお生まれになったときは、実は王位継承権がありませんでした。法改正があったため、父・前国王が崩御されたときにマルグレーテ2世が女王となったのです。
そのようなマルグレーテ2世の、経歴から見てみましょう。
経歴
マルグレーテ2世は、第二次世界大戦中だった1940年4月16日に生を受けました。
このときは王位継承権がなかったため、マルグレーテ2世は女王としての教育を受けることはありませんでした。
日本でいう、お世継ぎ教育を受けていない女王ということになります。
初の女王として即位
王位継承法としては男性優位とされていたデンマークですが、前国王亡き後はその弟・クヌーズが次世代国王と予定されていました。
ところがこのクヌーズとその息子たちは、国民にあまり人気がなかったのです。
理由はマルグレーテ2世が誕生した当時、第二次世界大戦中でナチス・ドイツが『デンマーク侵攻(ノルウェーとデンマークへの侵攻作戦)』を勃発させていました。
クヌーズとその息子たちは、どちらかというとナチス寄りであったことから国民に敵視されていたと思われます。
このことから1953年に、それまで王位継承者は「男性優位」としていたものを「男系男子のみから男子優先」とする王位継承法を改正したのです。
「男系男子のみから男子優先」とは、わかりやすくいうと「男子優先ですが、いない場合は女子・女系が継承してもいい」ということを指します。
事実、前国王(フレゼリク9世)には男子に恵まれませんでした。マルグレーテ2世を含め、女子3人のみだったのです。
そのため女子が王位を継承できるようになったので、前国王の長女・マルグレーテ2世が女王に即位しました。
在位50年を迎えた
マルグレーテ2世が女王に即位し、2022年で在位50年を迎えました。
この記念すべき日に、2022年1月14日には在位50年の祝賀会がデンマークの首都コペンハーゲンのクリスチャンボー城で行われたのです。
女王となってからのマルグレーテ2世は、スキャンダルは避け『立憲君主制の近代化』に力を入れてきました。立憲君主制とは、君主の権力が憲法によって規制されている政体を意味します。
このため、デンマークではマルグレーテ2世のファミリーが、現在もっとも国民に親しまれているロイヤルファミリーとなっているようです。
マルグレーテ2世の両親
マルグレーテ2世は、父の跡を継いで国のトップになったわけですが、ここでマルグレーテ2世の両親がどのような方々か見ていきましょう。
父は前国王フレゼリク9世
マルグレーテ2世の実父・前国王はフレゼリク9世といい、フレゼリク9世の国王としての在位期間は、1947年4月20日~1972年1月14日でした。
将来の国王として「デンマーク海軍アカデミー」で教育を受けています。このアカデミーでは、海軍か陸軍かはデンマーク王室が選ぶのが伝統だったようです。
その後、コペンハーゲン大学に進学しています。1935年5月24日に、スウェーデン国王グスタフ6世アドルフの娘・イングリッド王女と結婚しました。
やがて3人の王女を儲け、1972年には72歳で崩御しています。
母はスウェーデン王女イングリッド妃
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世の母・イングリッド妃の結婚生活は長くは続きませんでした。それは、マルグレーテ2世の父はイギリス貴族のルイーズ・マウントバッテンと再婚したからです。
しかし、イングリッド妃はこの父の再婚をどうしても受け入れられませんでした。心の中で父親に裏切られたような気持ちだったのでしょう。
そのため、義母ルイーズにも親しめなかったのです。大人になったころにはようやく、理解できるようになりました。
マルグレーテ2世に兄弟はいる?
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世は、3人兄弟でマルグレーテ2世は長女です。マルグレーテ2世の下に妹が2人います。
ベネディクテ王女
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世の真ん中の妹で1944年生まれで、結婚してザイン=ヴィトゲンシュタイン候リヒャルト夫人となっています。
リヒャルトとの間に1男2女を儲けましたが、デンマークの王位継承権は子供たちにはありませんでした。
アンネ=マリー王女
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世の末の妹が1946年生まれで、ギリシャ王コンスタンティノス2世王妃です。
コンスタンティノス2世との間に3男2女を儲けましたが、1964年12月にギリシャ北東部カヴァラから家族4人が軍用機でイタリアへ亡命しました。
3人目から下は亡命後に生まれています。
マルグレーテ2世の子供たち
マルグレーテ2世は夫・ヘンリック王配との間に2人の男子を儲けました。現在は、2人の王子も結婚をし、それぞれ4人の子供に恵まれています。
フレデリック王太子
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世の長男で、1968年5月26日に誕生しました。のちに2004年5月に、オーストラリアのタスマニア州出身のメアリー・ドンルドソンと結婚します。
その後、2人の王子と2人の王女に恵まれました。フレデリック王太子の4人のお子様は以下の通りです。
- クリスチャン王子(2005年)
- イサベラ王女(2007年)
- ヴィンセント王子(2011年)
- ヨセフィーネ王女(2011年)
ヴィンセント王子とヨセフィーネ王女は、双子です。
ヨアキム王子
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世の次男で、1969年6月7日に誕生しました。のちに1995年に香港出身でヨアキム王子より5歳年上のキャリアウーマンのアレクサンドラ・マンリーと結婚しました。
ヨーロッパ王室では、初のアジア出身女性と結婚したことで当時はかなり話題になったようです。2人の間には2人の王子がいます。
- ニコライ王子(1999年)
- フェリックス王子(2002年)
ところが2004年9月に別居が報道され、2005年4月にはついに離婚してしまいます。のちに2008年5月に、フランス人女性のマリー・ガヴァリエと再婚しました。
そして1男1女を儲けます。
- ヘンリック王子(2009年)
- アテナ王女(2012年)
子供たちもそれぞれに独立しましたが、マルグレーテ2世はその後もさらに精力的に王女の勤めを遂行します。
そしてイギリスのエリザベス女王とも親交を深めていました。
エリザベス女王とも親交があった
マルグレーテ2世は、生前あのイギリス君主であるエリザベス女王とも親交があったといいます。
それもそのはず、マルグレーテ2世はヴィクトリア英国女王の子孫であるため、エリザベス女王とは親戚になるのです。
生前は、お互いが愛称で呼び合っていたといいます。その愛称とはなんと呼んでいたのでしょう。
- エリザベス女王→マルグレーテ2世のことを「デイジー」
- マルグレーテ2世→エリザベス女王のことを「リリベット」
2人の歳の差は14歳差ですが、まるで姉妹のように仲が良かったようです。そして、お互いに非常に共通する点がいくつかありました。
- 女王として在位が長い:エリザベス女王(在位70年)マルグレーテ2世(在位50年)
- 「三従妹(みいとこ)」の関係:自分から見て「いとこ」「はとこ」の次に遠い親戚
- エリザベス女王が故フィリップ王配と結婚したころからもずっと縁続き
- 大の犬好き
- ファッションセンスが似ている
2人揃って犬好きで、エリザベス女王は「コーギー」、マルグレーテ2世は「ダックスフンド」を飼っているというのは有名な話です。
ファッションセンスも、ディナーや他国訪問の際には柄やジュエリー、バッグなどをよく合わせていました。
マルグレーテ2世は来日したことはある?
Embed from Getty Imagesマルグレーテ2世は、これまでに日本への来日はありました。それはマルグレーテ2世が王女時代と女王になってから、計4度ほど日本を訪問されています。
『王女時代』
- 1度目:1963年(昭和38年)4月:こちらは「非公式」で訪問。
- 2度目:1970年(昭和45年)4月:「日本万国博覧会」列席のため訪問。
『女王時代』
- 3度目:1981年(昭和56年)4月:国賓で公式訪問。
- 4度目:1990年(平成2年)11月:第125代天皇(現・上皇天皇)即位の礼参列のため訪問。
日本への訪問回数は少なかったようですが、天皇陛下がデンマークを訪問した際には細やかなおもてなしをされたマルグレーテ2世ですので、今後ももっと日本へ行けるよう日本を気にかけてくださっていることでしょう。
国民に支持される女王
女王となる身ですから、やはり国民からもっとも人気があり支持されていることが望ましいです。マルグレーテ2世は、その家族も含めて国民から絶大な支持を得ています。
それは同時に、マルグレーテ2世がこれまでご自分のモットーにしてきたことも支持されているでしょう。
マルグレーテ2世がモットーにしてきたこと、それは「神のご加護」「国民の愛」「デンマークの強さ」です。
この他にもマルグレーテ2世の人気があるのには、次のようなことが挙げられます。
- 日本から天皇陛下がデンマークを訪問した際、隅々に至るまで非常に細やかなおもてなしをされた
- 公務の傍ら「翻訳」・「挿し絵」・「王立バレエの衣装デザイン」など多才ぶりを発揮
- フレデリック皇太子とメアリー嬢の結婚式に、モノグラがをデザインされました。モノグラムとは、文字や記号を組み合わせたり、重ね合わせたりして1つの記号・文字のようにしていることでブランドで使われるロゴのようなものです。
ヨーロッパの王室を詳しく知ろう!
今回は、デンマークの女王・マルグレーテ2世について、その経歴やファミリーのこと、亡きエリザベス女王との親交など、さまざまな情報を解説しました。
エリザベス女王同様、長い間その国の君主として君臨するのは、私たちの想像をはるかに超える厳しいことの連続だったと思います。
その中にいても、常に素敵な笑顔を絶やさず、身だしなみにも気を使い、さらには人への感謝を持って接する姿は、私たちも見習わなければならないお姿だと気付かされます。
その素敵な笑顔で日本にもまた是非、訪問していただきたいものです。