ダイアモンドの王冠

ライターPOINT DE VUE JAPON 編集部
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ダイアモンドの王冠を女王がお持ちかご存知ですか?

答えはここに書きません。貴女ご自身で、ロイヤル·コレクションが出版したエリザベス2世のダイアモンドの歴史の新書の中からご自分で答えを見つける折角の喜びを取り上げてしまいたくありませんから。

でも、少しだけヒントです。1947年のご結婚の際に贈られた2つひとつは祖母であるメアリー王妃から、もうひとつはハイデラバードのニザームから。1953年に、メアリー王妃が亡くなられた時に2つ、2002年お母様を亡くされた時に少なくとも5つ受け取られています。皆さんも大体の予想がこれでつくのではないでしょうか?

ヒュー·ロバーツ著のこの本は、私達が知りたいと思っていたエリザベス2世の豪華な宝飾品への殆どの疑問を解いてくれます。

例えば、一世紀ほど前から戴冠式の時に、英国王の妻達はいったい何のプレゼントを贈られるかご存知ですか?エドワード王、ジョージ王を始めとして、王達は妻に、大粒のダイアモンドの連なるネックレスをプレゼントするしきたりになっているのです。

エリザベス王太妃は娘エリザベス2世の戴冠式に、ご自分の戴冠式ネックレスである、アレクサンドラ女王遺産のネックレスをつけてご出席になりました。このネックレスは更に昔、アレクサンドラ女王がテック公爵夫人から受け継いだものなのです。代々受け継がれていくうちに現女王の祖母であるメアリー女王は8つのダイアモンドのネックレスを所持するようになり、幾つかを同時に身につけられる事もあったそうです。そのダイアモンドの中でも最も古いものは、ジョージ3世の時代のもの。マッド·オブ·キングと呼ばれ、ウィンザー城での隠遁生活の後に亡くなられた王です。

彼の妻シャーロット王妃のダイヤの幾つかはブローチ、そしてロシア風王冠として現女王へと受け継がれています。その他のダイヤは、ヴィクトリア女王が公式贈答品として受け取られ、御戴冠中にお持ちになっていたもので、トルコのスルターンからの贈り物である有名なブローチがその一つですが、エリザベス2世はこのブローチの“少し軽くしたバージョン”しかお使いになっていません。

というのも、エリザベス2世は母、祖母、曾祖母とは対照的にシンプルな宝飾を好まれるからなのです。ダイアモンドのネックレスは一回に一連だけ。一度しかお使いになった事の無い宝石もあります。例えばメアリー女王の胴衣の前に付けられていたブローチ。この大きなブローチは3連になっており、ピンで一つずつ取り付けて行くほど大きなものなのです。

反対に、女王が肌身離さず身につけていらっしゃるのは婚約指輪で、一番愛着を持たれている宝石と言えるでしょう。この指輪がどのようにして作られたかは、本に解説されています。また、私達が無くなったか、他の形に姿を変えてしまったかと思っていた古い宝石が、実は宮殿の金庫の中に何十年もの間眠っていた事がこの本には紹介されており、皆さんも驚かされる事でしょう。メアリー女王の愛のトロフィーであるチョーカーも、その中の一つです。

エリザベス2世はこのネックレスを1953年に受け継がれましたが、好みに合わない、と一度もお使いになった事がありませんでした。このチョーカーをケンブリッジ公爵夫人がお付けになったらぴったりだろうな、と想像してうっとりしてしまいます。ケイトにはメアリー女王のマチネーのダイヤのネックレスもきっとお似合いでしょう。このネックレスは1920年代に作られたもので、ウラジーミル大公妃の子孫からメアリー女王が買い取られた連なるダイアモンド(また一つ!)のネックレスの石を使ってます。

60年間、このネックレスはまったく人目に触れる事がありませんでしたが、この本に掲載された写真で、他80点を超える秘蔵宝石の写真と共にご覧頂く事ができます。この著作(そして夏の展覧会)は、女王の豪華なダイアモンドのコレクションだけに焦点を当てて作られたもの。それは世界でも他に類を見ないものです。しかし当書では、女王のルビー、エメラルド、サファイアの数多いコレクションは何一つ紹介していません。もしかすると、同じシリーズの第2巻、そして2つめの展覧会が将来見られるかもしれません…。

❶ 共布の紫をトップに配し、ブリムはエッジを少し折り返したフォルム。黒の広めのつばはラフィアの透け感で軽やかさを演出しています。全体のフォルムと配色のボリューム、そして素材感とのバランスは流石です。

❷ カジュアルになりがちなストローハットも、材質の風合いを生かした直線形のデザインで型入を行い、仕事が施されるとこんなにもフォーマルなものになります。

❸ ロイヤルブルーのトーク。フロントが高めのフォルムで、光沢のあるベルベット地が、格式の高さと上質感を引き立たせ、絶妙な一体感を表しています。

❹ ミモザ色の柔らかな装い。つばの内側に白のラフィアを置いて透明感を与えています。この配色で膨張して見えないのは帽子の箱形のラインが色の広がりを抑えすっきりとした印象に仕上げているからです。

❺ 冬のこのトーク帽はクラウンを大きく高さをもってきています。縦からと横からの黒い革のラインは全体を引き締めその大きさを感じさせない効果的で絶妙なアクセントになっています。

❻ 何とも存在感漂うドレッシーなシルエット。光沢あるシルクサテンでドレープを施し、エッジをパイピングして重厚な雰囲気を醸し出しています。

❼ エメラルドグリーンに差し色の黒い革素材を直線的に置き、オーストリッチの羽根の芯でシャープなラインを加えています。左右不対象に反り上げたプリムは、角度によって異なる表情を捉えます。

❽ お顔を優しく包み込むようなファー。どんな素材もフォルムも女王の品格の高さを損なうことなく、随所に英王室のトラッドな普遍性を感じさせます。

❾ 髪の色やピアスのパールも含めた色の統一感、素材とフォルムの計算しつくされた立体的な陰影が、あいまいになりがちな単色での装いを華やかに演出しています。

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