天皇陛下と雅子さまの即位から4年となる今日、今も多くの人の心に残る「即位の礼」を振り返ります。「即位礼正殿の儀」では平安絵巻さながらの古式装束に身を包む天皇陛下や皇族方の装いに注目が集りました。今回は皇族の方々が儀式の際に着用された「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)と「十二単」についてご紹介します。
■黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)
Embed from Getty Images陛下がお召になる装束、「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」は、平安時代、嵯峨天皇が天子の御服と定めて以来、天皇のみが着用できる色として伝わってきました。頭に被られる「立纓の冠(りゅうえいのかんむり)」も天皇を象徴します。
黄櫨染というのはハゼノキ(ウルシ科)、スオウ(マメ科)という植物を使って染められる色の名前で、自然由来の色の事です。
御袍とは、この束帯装束の形です。中国では黄色が尊い色とされ皇帝専用の色とされています。また黄櫨染は、太陽が一番高いところに昇った時の色という説もあります。
この色の装束は、天皇以外着用してはいけないという絶対禁色です。黄櫨染は染め方が非常に難しく、熟練した職人でも同じ色を出すのは不可能と言われています。
■十二単
女性皇族の十二単のご着用は、即位儀礼と結婚の際に限られます。十二単は12枚着ていると思われがちですが、実際は9枚の着装です。9枚で16kgの重さになります。皇后雅子様をはじめ、女性皇族は通称「十二単」と呼ばれる色彩豊かな五衣唐衣裳の装束に身を包まれました。
特に皇后の「十二単」は、代々の皇后の意向をくんでデザインされるだけに注目されました。表着には、雅子さまのお印であるバラ科の花であるハマナスが意匠化され、いちばん上に羽織る白い唐衣は、皇后だけが身に着けるものです。その文様は「向かい鶴」。昭和までは、唐衣に鳳凰の文様があしらわれていましたが、平成の即位式で美智子さまは、鶴を上下や左右に二羽向い合わせにする『向かい鶴』の文様の唐衣をお召しでした。
今回のデザインでは、雅子様らしさともいうべき特徴があるようです。昔ながらの『向かい鶴』の意匠は、二羽の鶴が左右対称になっていますが、雅子様の『向かい鶴』は、片方の羽と鶴の脚が大きく表現され、両脚が意匠に取り入れていました。
配色にもまた現代的な特徴がみてとれます。美智子様の「十二単」は、若草色の表着に、唐衣は刺繍で描いた紫の鶴の意匠で、落ち着いた雰囲気でしたが、雅子様は、表着は紫、上に重ねる唐衣に若草色を用いて、若々しい印象でした。雅子様は平成五年のご成婚のときにも十二単をお召になっておられましたが、皇后様になり御身分にふさわしい色や模様のものに新調なさいました。
秋篠宮妃紀子さまの十二単には、皇室を象徴する「菊」と秋篠宮さまのお印である「栂(つが)」の紋。長女の眞子さま、次女の佳子さまは、初めて十二単を身につけられ、その初々しいお姿も話題になりました。