天皇陛下のお名前をご存じですか。実は徳仁(なるひと)様という名前があります。また、称号や宮号など違いがわからない方もいるでしょう。
日本の皇室に関することですが、意外とわからないことが多くあります。そこで、今回は天皇陛下の名前や皇族の名前・称号・ 諡(おくりな)・宮家のお名前などを紹介します。
現在の皇室メンバーを中心に解説しますのでニュースなどで聞いたことのある名前も多く出てきますよ。ぜひ天皇や皇族の名前に興味がある方は最後まで読んでみてくださいね。
天皇陛下のお名前は?
天皇陛下のお名前は、徳仁(なるひと)様といいます。皇太子や天皇という呼び方が多くあまり馴染みが無いですよね。幼少期は浩宮(ひろのみや)と呼ばれ親しまれてきました。
浩宮とは天皇陛下の称号です。称号は天皇の子供にのみ送られる名前で、子供のころの呼び名のようなものです。
皇族や天皇陛下は苗字が無いのでお名前は徳仁のみになります。実は歴代天皇の名前を見ていくと法則性があることに気が付くでしょう。皇族の名前のつけ方や決まりについてご紹介します。
天皇陛下のお名前の付け方に決まりはある?
Embed from Getty Images天皇陛下はじめ皇族の名前をつける際に特徴があります。その特徴や命名の儀などに関してご紹介します。名前の共通点はありますが必ずその漢字を使わなければいけない、といった決まりはないようです。
また、意外と知らない歴代天皇の名前もご紹介します。
男子には「仁」、女子には「子」
天皇の名前は、男子には「仁」、女子には「子」という漢字が使われます。 「仁」という漢字は、「いつくしむ」「親しむ」「思いやり」など人を尊敬するという意味を持ちます。
そのため、人を思いやるよう気持ちをこめて命名されるのかもしれません。また、後冷泉天皇の頃から親の名前から一字を子が受け継ぐ風習が始まったそうです。
そのため、代々男子は「仁」、女子には「子」を引き継いでいるのかもしれません。実際に歴代天皇の名前をみてみましょう。
- 明治天皇:睦仁
- 大正天皇:嘉仁
- 昭和天皇:裕仁
- 上皇:明仁
- 現天皇:徳仁
全員「仁」がついていますね。1383年に天皇を務めた後亀山天皇からずっと「仁」という名前が使用されています。
女性は「子」という感じが使用されていますね。上皇の娘である清子氏や三笠宮家の彬子様や瑶子様も皆「子」がついています。
しかし、皇族生まれではない雅子様や美智子様も名前に「子」がついていることがわかるでしょう。これは時代背景が関係するといわれています。
現在は減ってきていますが、昔は女児の名前にはよく「子」が使用されていました。そのため、嫁いで皇室入りした方が多いにも関わらず現在皇族の女性は皆「子」がついています。
今後、時代が変わり「子」がつかない皇族が誕生する可能性もあるでしょう。
命名の儀で決定される
皇族の名前は、命名の儀を通じて決定されます。命名され、合わせてお印も与えられます。お印は皇族が持ち物などを表す紋章のようなものです。
命名の儀は生後7日を迎えた皇族に行います。名前はその子の父と宮内庁書陵部と漢学者が相談して決めるそうです。意味や願いを込めて名前を考えているのですね。
皇太子の子供など嫡流の子供は天皇陛下が最終的に決定します。宮家の子供は父親の一存で決定してよいそうです。
決定した名前は紙に書き、両親が確認します。その後、それを宮務官が桐の箱に入れる皇族の枕もとに置きます。
母が内容を確認し再び箱に戻し、それを父のもとへ戻すと命名の儀は終了です。お七夜(おしちや)とも呼ばれ一般の家庭でも行なわれます。しかし、私たちが行う命名の儀とはやり方が違いますね。
皇族のお名前一覧
皇族のお名前には男子が「仁」、女子が「子」を使用していると説明しました。しかし本当にその漢字が使われているのか気になりますよね。
先ほど少し触れましたが明治以降の歴代天皇の名前や現皇室メンバーの名前をご紹介します。
明治以降の歴代天皇のお名前
明治以降の歴代天皇のお名前は、以下のようになっています。
- 明治天皇:睦仁
- 大正天皇:嘉仁
- 昭和天皇:裕仁
- 上皇:明仁
- 現天皇:徳仁
全員「仁」を使用しています。また、秋篠宮皇嗣殿下は「文仁」、息子で皇位継承権第2位の悠仁(ひさひと)親王殿下など現在皇室にいる男性は全て「仁」という一字が入っています。
現在の皇室メンバーのお名前
Embed from Getty Images現在の日本の皇室メンバーには、天皇陛下、皇太子殿下、そして皇太子妃殿下がいます。
- 皇后陛下ー雅子
- 上皇后陛下ー美智子
- 秋篠宮皇嗣殿下ー文仁
- 秋篠宮文仁親王妃ー紀子
- 敬宮殿下ー愛子
- 内親王殿下ー悠仁
- 内親王殿下ー佳子
- 義宮殿下ー正仁
- 常陸宮正仁親王妃殿下ー華子
- 三笠宮崇仁親王妃殿下ー百合子
- 寬仁親王妃殿下ー信子
- 彬子女王
- 瑶子女王
- 承子女王
- 高円宮憲仁親王妃殿下ー久子
ご覧の通り女性には「子」男性には「仁」が入っています。
ご称号が苗字の代わり
皇族には苗字がありません。そのため称号を苗字代わりに使用しています。例えば愛子様の称号は「敬宮(としのみや)」なので学校などでは「敬宮(としのみや)愛子」と名乗ります。
しかし、称号は全ての皇族が受け取れるわけではありません。誰が称号を受け取れるのか、称号が無い場合はどのようにしているのか解説します。
ご称号が与えられる範囲
称号は天皇または皇太子の子女にのみ与えられます。そのため、宮家など内廷外皇族には称号がありません。代わりに、宮号を苗字代わりに使用しています。
天皇の子供には称号が与えられ、秋篠宮皇嗣殿下も称号が与えられています。しかし、次男以降の男児は成人とともに宮号を与えられるのです。
皇位継承権第1位の長男は内廷皇族ですが、皇位継承権第2位以下の男児は内廷外皇族となります。このように区別されるため、称号と宮号両方持っている方も少なくはありません。
現天皇や天皇の娘である愛子様は称号がありますが、秋篠宮佳子様や悠仁様は称号がありません。このように天皇や皇位継承権との関係で称号の有無が決まります。
現在の皇室メンバーのご称号
現在の皇室メンバーにはどれくらいご称号を持っている方がいるのか気になりますよね。現在皇室にいる方のご称号は、以下のようになっています。
- 天皇ー浩宮(ひろのみや)
- 上皇ー継宮(つぐのみや)
- 秋篠宮皇嗣ー礼宮(あやのみや)
- 愛子様ー敬宮(としのみや)
- 正仁殿下ー義宮(よしのみや)
悠仁様は皇位継承権第2位ですが天皇の子供ではないため称号がありません。少々複雑な決まりですね。ただ、悠仁様には「秋篠宮」という宮号があるため困らないでしょう。
現代は元号が諡(おくりな)になる
Embed from Getty Images現代の日本では、天皇が即位すると、その天皇が治める時代の元号が決められます。そして、その天皇が即位した時から、その元号が使われるようになります。
つまり同じ元号で複数の天皇が誕生することはありません。そのため、昭和時代に天皇をしていたら昭和天皇、大正時代の天皇を大正天皇と呼んでいます。
しかし、現上皇のことを平成天皇と呼ぶ人はいません。なぜ上皇を平成天皇と呼ばないのか、また、現在の天皇のことも令和天皇と呼ばない理由を解説します。
諡は死後に贈られるお名前
なぜ平成天皇と呼ばないのかというと、諡(おくりな)は人の死後にその徳を称えて贈る称号だからです。仏教でいう戒名のようなものです。
上皇や現天皇はまだご存命なため、平成天皇と諡をつけて呼びません。この諡は諡号(シゴウ)ともいい、8世紀初めに中国から伝わりました。
必ず年号がつくわけではありません。年号が諡としてつけられるのは明治天皇以降の天皇だけです。推古天皇の「推古」や神武天皇の「神武」なども諡です。
そのため、上皇の諡がどのようなものになるのかはまだ誰にもわかりません。
歴代天皇の代表的な諡
日本の歴代天皇には、様々な諡が与えられています。代表的な諡には、以下のようなものがあります。
- 推古天皇
古を推し量るという意味でつけられました。 古い教訓を今後も生かしていこうという思いがこめられているようです。
- 神武天皇
神をこえ、人間の業を越えた武力をもった人という意味で名づけられています。武力で物部氏の王朝を制圧しているためこの諡号が与えられたとされています。
宮家のお名前の意味は?
宮家の名前は宮号といいます。秋篠宮や三笠宮などが宮号です。この宮号にも意味があるのです。どのような意味があるのか簡単にご紹介します。
宮家のお名前「宮号(きゅうごう)」
宮号とは内廷外皇族に送られる皇族の名前です。天皇や皇太子以外の男児が成人したときに送られます。宮号は天皇と皇太子以外の男性が成人した際に送られます。
現在の宮家一覧
現在の日本の皇室メンバーは、以下のようになっています。
- 秋篠宮
和歌の歌枕としても有名な奈良市の秋篠(あきしの)に由来しているとされています。
- 常陸宮
常陸国(現在の茨城県)が親王を国司とする、親王任国であったことにより命名されたとされています。
- 三笠宮
奈良の三笠山にちなんで命名されました。三笠山は阿倍仲麻呂の和歌「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」に出てくることで知られています。
- 桂宮
桂宮宜仁親王のお印である桂にちなんで命名されたそうです。
- 高円宮
奈良市東部にある三笠山近くの高円山からとられたとされています。
宮家で男児が生まれた場合は、苗字のように宮号を継承します。男児が複数人生まれた場合は長男が宮号を継承し、次男以下の男児は新たに宮号を開設、もしくは皇室から出なければいけません。
皇室典範では養子を認めておらず、男児が生まれなかった場合は継承する人が居なくなり、宮家が断絶してしまいます。現在女性だけの宮家も多くどんどん宮家が減ってしまう可能性があります。
「天皇」という称号の由来は?
「天皇」という称号は、天武朝ごろから中央集権国家の君主として用いられるようになったといわれています。
ただ、いつごろから「天皇」という言葉を使用していたかは様々な見解があり、正確には明らかになっていません。
道教では北極星を天皇大帝と呼び、そこが語源ではないかという説もあります。他にも天皇は昔「スメラミコト」と呼ばれており、漢字が「天皇」だったという説もあります。
歴代天皇についてもっと知りたいなら
天皇の名前や皇族の名前に関して紹介しました。意外と知らない語源や決まりごとが多いですよね。称号は一部の皇族しか受け取れないことや宮家の継承など知らなかった方もいるでしょう。
今回は現天皇を中心に、現在の皇族や近年の皇族を中心に紹介しました。しかし日本の歴史は古く、多くの歴代天皇がいます。
他の歴代天皇について知りたい方はぜひ本サイトをご覧ください。皇室や天皇にスポットライトを当て、様々な情報を公開しています。天皇について知ると日本の歴史についても理解が深まるでしょう。
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