モナコ公国は、南フランスの地中海岸コートダジュールに位置する国です。カジノやF1レースの他にさまざまな魅力があるモナコ公国は、観光地として人気があります。
また、モナコ公国ではある条件を満たした方のみが移住を許されるため、世界中のセレブたちから羨望の国としても注目されているのです。
そのようなモナコ公国は、立憲君主制を採っているため公室が存在します。大公をはじめ、モナコ公国の公室メンバーはどのような方なのでしょうか。
今回は、モナコ公国の公室メンバーについて徹底解説します。
美しい王妃たちや公位継承などについてもご紹介しますので、ぜひ最後まで記事を読んで、モナコ公国の公室メンバーの魅力に触れてください。
モナコ公国とは?
あなたは、モナコ公国についてどのくらいご存じでしょうか。
カジノやF1レースが有名なことは何となく知っていても、実際にどのような国かまで把握している方は多くないかもしれません。
モナコ公室について触れる前に、まずはモナコ公国について解説します。
世界で2番目に小さい国
フランス南部のコートダジュールにあるモナコ公国は、イタリアのバチカン市国に次いで、世界で2番目に小さい国です。
国土面積はわずか2.02平方キロメートルほどであり、日本の皇居とほぼ同じ広さになります。
そのようなエリアにおよそ4万人もの国民が暮らしており、人口密度は1平方キロメートルあたりおよそ1.9万人と圧倒的な高さのため、世界一人口密度が高い国でもあるのです。
もう1つ注目すべきは、国民のおよそ75%が居住権を得た移住者であることです。世界中から移住希望者が集まる国とも呼べるでしょう。
国民所得が高い
居住者の7割以上が移住者だということから、モナコ公国へは誰でも簡単に移住できるのでは…?と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、冒頭でも少し触れたようにモナコ公国への移住にはある条件が必要となります。その条件とは、「億万長者」であることです。
モナコ公国へ移住するには、モナコ政府や銀行での厳しい審査を突破し、国から「セレブである」と認められる必要があります。
居住者の7割以上が国に認められた富裕層であることから、国民所得が世界一高い国としてもよく知られていることでしょう。
また、通常であれば所得が高さに比例して課せられる税金も高くなります。
しかし、モナコ公国では居住者へ所得税などの税金を課さないタックスヘイブンという税制がとられているため、節税を目的に移住を希望する富裕層が後を絶たないのです。
大幅な節税に加えて国が認めたセレブというステータスこそが、世界中のセレブたちがモナコ公国に憧れる理由であるといえるでしょう。
モナコ在住で知られる日本人
世界中の大富豪が集まるモナコ公国ですが、日本人でも元サッカー日本代表の中田英寿さんやプロテニスプレイヤーの伊達公子さんなどが居住権を有しています。
華々しく活躍したスポーツ選手であれば、モナコ公国に移住できるほどの財力にも頷けますが、実は一般人でも江見知桂さんという方がモナコ公国に在住しているのです。
彼女はパート経験すらない元専業主婦という、モナコ公国への移住者としては異例の肩書きを持っています。
しかし、50歳で夫との死別後に2億円の借金を返済すべく始めたビジネスが見事に成功し、現在では経営者として活躍しています。
そのうえ、彼女はある婦人との出会いがきっかけとなり、通常であれば移住者が住むことを許されないパレスエリア(王宮前)に住んでいるのです。
人生のどん底から必死に這い上がった彼女の並々ならぬ努力が、モナコ公国での生活を引き寄せたのかもしれませんね。
現在のモナコ公国の王室メンバー
選ばれたセレブだけが住むことを許されるモナコ公国では、セレブたちがカジノやクルージングなどを楽しむ優雅な生活を送っていることでしょう。
そのような国を統治しているのは、現在のモナコ大公であるアルベール2世をはじめとした公室メンバーです。モナコ公室も、国民に劣らない煌びやかさがよく注目されています。
世界屈指のセレブの国を統治する公室メンバーはどのような方なのでしょうか。モナコ公国の公室メンバーについてご紹介します。
モナコ大公アルベール2世
Embed from Getty Imagesアルベール2世は現在のモナコ大公です。1958年3月14日にロイヤルファミリーの一員として生を受け、2005年4月6日に前大公のレーニエ3世が崩御したことから即位しました。
即位以前より、モナコ公国はその国風から長い間「いかがわしい国」と非難を受けており、アルベール2世はそのような事態に倦厭していました。
そして公位継承の際に「非難を乗り越え、全力でモナコのために尽くします」と宣言し、国民を道徳心・正直さ・倫理によって導くと誓ったのです。
国民への誠実さを示した一方、私生活ではスキャンダルの多さにも注目が集まっており、王妃との子供以外に2人の婚外子がいるなど恋多き大公としても知られています。
またボブスレーの選手として冬季オリンピックに5回出場したり、現在ではIOC委員としても活躍したりするなど、スポーツに熱心な側面もあります。
シャルレーヌ妃
シャルレーヌ妃はモナコ大公であるアルベール2世の妃です。
彼女は、1978年1月25日に現在のジンバブエでマイケル・ウイットストックとリネットとの間に長女として生まれた一般人でした。
12歳のころに南アフリカ共和国へ移り住み、ある出来事がきっかけで2000年にアルベール2世と出会い交際へと発展しました。
そして、11年もの交際期間を経て2011年7月1日に結婚し、公妃として即位しました。
双子のガブリエラ公女とジャック公子
Embed from Getty Imagesガブリエラ公女とジャック公子は、2014年12月10日にアルベール2世とシャルレーヌ妃との間に双子として生まれました。ガブリエラ公女が姉で、ジャック公子が弟となります。
2人とも祖母や母の美しさを継いだ「美しすぎる双子」として、公の場に現れた際には、その美しく愛らしい姿で国民のみならず世界中のロイヤルファンをも虜にしています。
美しい王妃で話題のシャルレーヌ妃
Embed from Getty Images現在のモナコ公国の公妃であるシャルレーヌ妃は、その美しさからモナコ公室の中でも特に国民からの人気を集めています。
プレイボーイで有名なアルベール2世を射止めたその美貌は40代を過ぎた今でも健在で、177cmの長身を生かしたファッションは公の場へ出るたび注目の的となっているようです。
そのようなシャルレーヌ妃ですが、実はオリンピックへの出場経験がある元水泳選手だということをご存じでしょうか。
ここでは、シャルレーヌ妃の水泳選手としての経歴をご紹介します。
オリンピックにも出場した元水泳選手
Embed from Getty Imagesシャルレーヌ妃には、2000年のシドニーオリンピックへ競泳選手として出場した経歴があります。
南アフリカ共和国代表として競泳女子4×100mメドレーリレーに出場し、見事5位入賞を果たしました。
シャルレーヌ妃が水泳に出会ったのは3歳のころで、水泳のインストラクターであった母から泳ぎ方を教わると瞬く間に泳ぎ方をマスターしました。
そして8歳から本格的に競泳を始め、厳しい練習を耐え抜きオリンピック出場を成し遂げたのです。
公妃になる以前のシャルレーヌ妃は、水泳に全神経を注ぐアスリートだったのです。
大公との出会いも水泳が縁
シャルレーヌ妃とアルベール2世との出会いも水泳がきっかけでした。
2000年、シャルレーヌ妃はモンテカルロで開催される水泳大会に出場するためにモナコ公国を訪れた際にアルベール2世と出会いました。
すぐに交際へと発展はせず、デートを始めたのは出会いから6年後の2006年で、翌年のトリノオリンピックで2ショットを披露し交際を公言しました。
その後すぐにシャルレーヌ妃は競泳界を引退しモナコへ移住、そして2011年に結婚したのです。
引退前、シャルレーヌ妃は北京オリンピックへの出場権を持っていましたが、それを放棄してまでアルベール2世を選びました。
長年必死に打ち込んだ水泳よりも大切だと思えるほど、シャルレーヌ妃のアルベール2世への想いは強かったのでしょう。
アルベール2世の母はグレース・ケリー
Embed from Getty Images現在のモナコ公国の公妃も美しいと話題ですが、前公妃も全世界から大きな注目を浴びていました。
アルベール2世の母である前公妃は、グレース・ケリーという非常に有名な女優でした。
彼女がモナコ公国へ嫁ぎ、モナコ公国が世界中から注目の的となったことで、いかがわしい国というイメージから現在の優雅なセレブの国として大きな変化を遂げられたのです。
それでは、アルベール2世の母であるグレース・ケリーについてご紹介します。
元ハリウッドスター
グレース・ケリーは、アメリカ合衆国の元女優であり、元ハリウッドスターでもあります。
あまりにも有名な女優であったため、ご存じの方も少なくないのではないでしょうか。
1929年11月12日、アメリカ合衆国のフィラデルフィアで生まれた彼女は、人前に出るだけで頬を赤らめるような恥ずかしがり屋でした。
しかしダンスやピアノを習ううちに演技への興味が膨らみ、高校卒業後に家族の反対を押し切り女優を目指しました。
そして1949年に舞台女優として初めてブロードウェイデビューを果たすと、すぐにハリウッドから声がかかり、22歳でハリウッド女優として映画デビューも果たしました。
その後、1955年には映画「喝采」でアカデミー主演女優賞を受賞したのです。グレース・ケリーは弱冠26歳という若さでハリウッドスターにまで登りつめました。
まるで映画のような恋!
アカデミー主演女優賞を受賞するほどの大女優へと成長したグレース・ケリーがレーニエ3世と出会ったのは、1955年のカンヌ国際映画祭でした。
グレース・ケリーはレーニエ3世からいたく気に入られ、彼女がアメリカへ帰国した後も、想いを諦めきれない彼から何度も手紙が届きました。
当時グレース・ケリーには交際しているパートナーがいましたが、レーニエ3世から手紙での猛アタックを受け次第に心惹かれていきました。
そして翌年の1956年1月に二人は婚約を発表し、グレース・ケリーはモナコ公妃となるため、人気絶頂の中女優業を引退したのです。
一国の王子から猛アタックを受け、幼い頃からの夢・人気・名声の全てを投げうってまで選んだ恋は、まるでロマンティックな映画のようですね。
アルベール2世の兄弟
Embed from Getty Imagesアルベール2世にはカロリーヌ公女とステファニー公女という2人の兄弟がいます。
2人とも女性であったため公位はアルベール2世へと継承されましたが、現在も公室メンバーとして公務に励まれています。
そのようなカロリーヌ公女とステファニー公女ですが、実は彼女たちもアルベール2世に負けないほど恋多き公族として知られているのです。
多くの恋を経験したカロリーヌ公女とステファニー公女についてご紹介します。
カロリーヌ公女
Embed from Getty Imagesカロリーヌ公女は1957年1月23日にレーニエ3世とグレース・ケリーの長女として生まれました。現大公であるアルベール2世の姉にあたります。
母であるグレース・ケリーの美貌を受け継いだカロリーヌ公女は、3度の結婚を経験したほか、奔放な恋愛から多くのスキャンダルを生み出したことでも知られています。
その波瀾万丈な人生の中で、カロリーヌ公女は4人の子供と7人の孫にも恵まれました。
ステファニー公女
Embed from Getty Imagesステファニー公女は1965年2月1日にロイヤルファミリーの一員として生まれました。アルベール2世とは、少し年の離れた妹にあたります。
17歳の時に、母であるグレース・ケリーが運転する車に同乗した際に交通事故に遭い、一命を取り留めたものの母を亡くしてしまいました。
そのようなステファニー公女ですが、彼女もグレース・ケリーの美貌を色濃く受け継ぎ、恋多き公女として彩り鮮やかな人生を送ってきました。
俳優アラン・ドロンの息子であるアンソニーや人気絶頂時のロブ・ロウなど、数々の著名人との恋を報じられたことでも有名です。
ステファニー公女は2度の結婚を経験するも、どちらもわずか1年ほどで離婚となりました。
また最初の夫とその後の交際相手との間に3人の子供をもうけましたが、全員未婚のままの出産と、奔放な恋愛を楽しんでいたことが窺えます。
その他のモナコ公室メンバーを一挙紹介!
Embed from Getty Imagesグレース・ケリーの子供たちが数多くの恋愛を経験してきたことから、モナコ公室には彼ら以外にもさまざまなメンバーがいらっしゃいます。
カロリーヌ公女の子供のカシラギ一族・ドイツのエルンスト・アウグスト王子との間の子供たち・ステファニー公女の子供のデュクリュエ一族など、子供だけで総勢15名です。
また、アルベール2世の婚外子やカロリーヌ公女とステファニー公女の孫たちを合わせるとさらに大人数となります。
グレース・ケリーの血を引くモナコ公族は美男・美女揃いであり、モナコ・グランプリなどで集結した際には、その圧巻の美しさにレースと同様に観衆の注目を浴びています。
公位継承順位は?
数多くのメンバーがいらっしゃるモナコ公室ですが、現在の公位継承順位はどのようになっているのでしょうか。
モナコ公国には1641年のペロンヌ条約により「大公の第1子を公位継承第1位とし、第2子を第2位とする」という規定があり、必然的にアルベール2世の子供たちが当てはまります。
通常であれば現大公の子供として先に生まれたガブリエラ公女を第1子、ジャック公子を第2子として、ガブリエラ公女が公位継承第1位となります。
しかしモナコ公国では公位継承に関して男子優先制を採っているため、継承順位第1位はジャック公子、第2位はガブリエラ公女となるのです。
双子という特殊な状況下により公位継承順位について少し問題となったそうですが、生まれたときからこのような問題が浮上することも、公子・公女である定めだといえるでしょう。
世界の王室を詳しく知ろう
今回はモナコ公国の公室メンバーについて解説しました。大女優グレース・ケリーがモナコ公国のロイヤルファミリーに参入したことで、モナコ公国は華々しい変化を遂げました。
グレース・ケリーの血を引く美しい公室メンバーが統治するセレブの国として、モナコ公国はこれからも世界中のセレブやロイヤルファンから羨望の眼差しを受け続けるでしょう。
世界にはモナコ公室のようにさまざまな魅力を持った王室が多く存在します。
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