「即位の礼」を振り返る~皇后雅子さまと世界の王妃~

ライターPOINT DE VUE JAPON 編集部
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天皇陛下と雅子さまの即位から4年となる今日、今も多くの人の心に残る「即位礼正殿の儀」を振り返ります。今回は饗宴の儀での皇后雅子さまの振る舞いにスポットを当ててご紹介します。

10月22日夜、海外の賓客らを招いた祝宴「饗宴の儀」が皇居・宮殿で行われました。「饗宴の儀」は、「即位の礼」の儀式の一つで、10月22日(火)、25日(金)、29日(火)、31日(木)の計4回、宮中で行われました。
22日の1回目には、元首や王族など約400人が招待され、勲章付きの燕尾服や色とりどりのロングドレス、民族衣装などを身にまとって、次々と皇居・宮殿へと参列しました。

雅子さまはローブデコルテというロングドレスを着用し、上皇后さまから受け継いだティアラや勲章を身につけられていました。フリルの華やかさと、ティアラの煌めき立ち襟のフリルがエレガントなソワレ、御成婚の日の晩餐会でのウェディングドレスを思い起こさせるデザインでした。基本的なプリンセス・ラインのドレスは、ドレスの基本的なデザインを忠実に表現されていました。

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饗宴の儀の翌日、23日に開かれた赤坂御所の茶会では微笑ましいハプニングも起こりました。
この度の儀式で、デンマークのフレデリック皇太子夫妻とのお迎えのご挨拶の場面で「カーテシー」(王族が目上の者に行うヨーロッパ伝統のもので、実はカーテシーをしてからチークキスをするのが正式)の前に皇后陛下と皇太子妃殿下がチークキスをしてしまい、その後でデンマーク妃殿下がカーテシーをなさったことで場が和まれました。
雅子さまが皇后になられるまでは同じ皇太子妃で親しかったため、再会の喜びでカーテシーを忘れてしまったのかもしれません。ですがメアリー妃は茶会でもあえて“目上への挨拶”よりチークキスを先にしてみせたのです。雅子さまが皇后になっても、友情は変わらないお気持ちの現れだったのでしょう。

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この度の行事で各国王室の王妃や皇太子妃と再会できることを、両陛下はとても楽しみにされていました。
オランダのマキシマ王妃とは、0 6年にオランダ王室の招きでご静養された時一緒に過ごされたこともあり、また13年の新国王の即位式にマキシマ王妃は雅子さまに直接電話をして『ぜひ即位式においでいただきたい』と伝えたそうです。その言葉に背中を押され、雅子様はオランダへ向かわれました。11年ぶりの海外ご公務でした。マキシマ王妃は、雅子様の復活を後押ししたのです。饗宴の儀で再会された雅子さまとマキシマ王妃は、左右、そしてもう一度右とチークキスを交わされ、親交の深さが感じ取れました。

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レティシア王妃は2年前に来日したときも雅子さまを抱擁して、『お美しいですね。お元気そうでよかったです』と励ましの言葉をかけておられます。
3人とも雅子さまと同じように、第一線で活躍していたキャリアウーマン。今後は、キャサリン妃とレティシア妃が世界中の女性からファションリーダーとして注目されるように、雅子様も世界の女性の眼を釘付けにして頂きたく思います。

この度の雅子妃のお召し物は、前半の2回は着席されている時に顔回りが華やかに映るドレスをお召になりました。そして、後半の2回は全身が美しいドレスと和服をお召になられました。

「饗宴の儀」の3回目が10月29日、皇居・宮殿で行われましたが、その際は淡いライトブルーのロングドレス。衿からフロントにかけて、流れるドレープがポイントのシンプルなドレスでした。
3回目と4回目の饗宴は、平成のときにはなかった立食形式での祝宴(皇室の方々への負担も考慮し7回開かれた祝宴は4回に減らす一方、1回に参列できる人数を増やしました)。式典の性質や雅子様のお役目をお考えになられつつお召し物をお選びになられた様子が、伝わってきます。即位礼以来の激務にもかかわらず、両陛下は、出席者ひとりひとりと和やかにご歓談され素晴しい饗宴の儀となりました。

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